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日系企業と外資系企業の文化の違い

仕事術

2020年は在宅勤務元年でもありましたが、どうも多くの日系企業では

在宅勤務ができる職種なのに通勤に戻ってしまった、という話をよく聞きます。

対する外資系企業では在宅勤務はコロナの前から比較的当たり前だったため、

今年についてもスムーズに移行したケースが多い様に思います。

外資系企業ではなぜ在宅勤務ができるのかについて書いてみようと思ったのですが、

その前にそもそも、日系企業と外資系企業は文化も組織も全く違う!というところについて、

日系企業も外資系企業も両方経験した私の経験からお話ししたいと思います。

 

※外資系企業と言っても米系欧州系でも違いますし国によっても文化は異なるのですが、

ここでは日本以外の企業の大体一般的な話、、というニュアンスでお話しします。



平等主義な日系企業、個人主義な外資系企業

  • 日系企業は家族っぽい?学校っぽい?

日系企業で働いていたときに強く感じていたのが

平等主義で、団体行動を重視しているということでした。

新卒で入社したら自分から言わなくても人事から同期で同じ研修を入れられて、

勤続年数が一定期間となったら同期は揃って昇級する。

日々の業務も自分の役割はあるものの、

根底にはみんなでやろう、みんなで助け合おう、失敗もみんなでカバーしよう

というのが基本的な文化だったなあと思います。

朝礼や昼礼でみんなでお互いの進捗を話して遅れがあれば助け合って、

何かあっても責任の所在は曖昧でみんなで痛み分けしよう!という

まるで学校の様な、家族の様な文化です。

個人に限らず部署間の仕事の責任分担も曖昧で、その時々で融通をきかせながら取り組んでいた様に思います。

私はこれが全面的に悪いことだとは思いません。

今では崩壊が始まってはいますが、

日系企業は基本的に10年以上などの長期間勤続する事が前提であることはまだ変わらないでしょうから、

みんなで仲良く輪を守りながら個人より団体を大切にして働くのは合理的なのかもしれません。

この働き方をすると、

パフォーマンスが低い人がいてもみんなで助けるのでロスを抑えられたり

管理職の立場からすれば自分の責任も曖昧に出来ますから、居心地もいいんだろうなあと思います。

心理的な安全を確保して働くというのは実はパフォーマンスにも直結しますから、

日系企業の家族的な平等主義、団体主義は良さもあると思うのです。

しかしながらこの文化の弊害は何と言っても、

若手とハイパフォーマーが周りに引っ張られて、成長のチャンスを手にしにくいことであると思います。

平等主義で家族や学校の様な経営をする日系企業で求められる人材は、

言われたことを120%のレベルでこなし、中高年男性と仲良くできる人ですから、

その会社の中で平均以上に飛び抜けて優秀な人や個性は求められないと言っても過言ではありません。

日本の教育はこの様な日系企業の求める人材に合わせるかの様に

”大体同じ人”を量産するシステムになっていますから、

実はほとんどの日本人は日系企業の方が適合できる、と言えるともいます。

たまに、日系企業で働いていた時は自分はハイパフォーマーだと思って飛び出した人が

外資系企業にきたらローパフォーマーだったことに気づく、という事があるのですが

これは自分の力なのか組織の協力あっての力なのかについての考察が足りないが故に

起こるミスマッチなのかなと思います。

 



 

  • 個人事業主の様な外資系企業

日系企業が学校や家族の様な文化だとするのであれば、

外資系企業はサラリーマンでありながら仕事を請け負って自分でやり遂げる必要がある、

個人事業主や個人商店の様な文化であると言えるでしょう。

私は日系企業から外資系企業に移った時、個人主義の文化に慣れるまでは本当に苦労しました。

外資系企業では殆どの会社や職種でJDーJob descriptionという職務の規定書がございまして、

この内容に基づいて採用を行い、応募者も合意したらサインして入社をして、自分の職責を全うすることになります。

例えば日系企業が”法人営業”という応募をしているとしたら、

外資系企業のJDでは法人営業といっても具体的な職責はどこからどこまでなのかを、細かく契約書に書かれておりまして

これに基づいてあなたの仕事はあなたがプロとして全うする必要があるのです。

もちろんこれは組織にもよるのですが

もしあなたが仕事が慣れなくて毎日夜中まで残業していようが、

日系企業の様に同僚に助けを求めて助け合って進める、ということは基本的にはありません。

家庭の事情であろうとしょっちゅう会社を休もうものなら、

平日に終わらなかった仕事は土日に出勤してでも自分で挽回する必要があるのです。

極端なことを言えばあなたがインフルエンザで仕事を休もうと、

基本的にはあなたの仕事は止まったままになり、周りは手出しをしないのです

顧客に迷惑がかかる場合は上司の承認のもとでチームで采配することもあるのですが、

この場合も、あくまで必要最低限のことしか周りは行いません

日本では日本の顧客が厳しいため、バックアップをおくこともあるのですが、

欧米圏なんて担当者が不在なので返事は2週間もらえません、みたいなこともマジであります。

担当である誰かの仕事に手を出すのは相手のプロとしての領域に踏み込むことになりますし

問題が起こったときに結局はお互いにとって良くないため

基本的には相手の仕事には踏み込まないのです。

他部署の仕事だけど臨機応変に助け合いながら進めるということも

外資系企業では基本的には良しとされません。

 

外資系企業の組織は組織を作る時点で各部門の役割を明確にしており、

その内容にあった予算をマネージャーが確保しているため、

自分の部署の仕事ではないのに上司に相談もなく勝手に引き受けようものなら

「その仕事の責任は誰が取るの?費用請求はどうするの?」とブチ切れられるでしょう。

日頃からこの様に自己責任、個人主義で働きながら、

問題があれば上司や周りに対して自分から働きかけて動くのが外資系企業になるため、

在宅勤務以前にそもそも自己管理なんて当たり前だろというのが外資系企業の文化になるのです。

 

私自身は、この外資系企業の文化に慣れるまで1年くらいはかかりました。

入社したばかりなのに、誰も助けてくれない。

引継ぎもまともにない。

会議では初日からどんどん意見を求められるし、周りが声をかけてくれることもない。

声をかけてくれても、超表面的だし、上司に評価されるためにやっている事が見え見え。

自分から声をあげないとチャンスは掴めない。会社は用意してくれない。

自分の業務を周りにも見える様にしましょうかと言ったら、

「それはあなたの仕事ですから、自分でやってください。(ピシャリ)」と怒られたこともありました。

外資系企業で働いている方は口を揃えてこの辺はおっしゃるので

どこの業界でも声がデフォルトなんだと思いますが、

もちろんこれに合わなくてやめていく日本人はたくさん見てきました。

私自身はもともと自立心が旺盛な性格だったこともあり、

だんだんと自己責任で働く文化に適合した結果、

今では自分の仕事は自分の裁量で管理して

周りに勤怠を合わせる必要もない働き方は非常に心地よくなりました。

 

さてここで、

こんな働き方をしている外資系企業に対して、日系企業の目線からすると不思議な事がありませんか?

 

出来る人は良いけど、できない人はどうすんの?

部署間で仕事の線引きしても、抜け落ちた仕事ってどうすんの?って。

これについては、

あまりにパフォーマンスが低い場合は上司が責任を持って徹底して鍛え、

それでもダメなら退職に追い込む、もしくは自分で空気を読んでやめていく、というのが解になるかと思います。

中にはローパフォーマーがしがみ付いてやめなくて、マネージャーがげっそりするという珍事もありますが

基本的には外資系企業で出来ない人認定されると超絶居心地が悪くなるので、自分でやめていく人がほどんです。

 

また、部署間の間に落ちた仕事をどうするか問題ですが、

これは時と場合によります。

そもそもそれやらなくても良いよねっていうことは淘汰されていく一方で、

グレーな仕事の時は上司と相談のもと戦略的に自分から取りに行って、

自分の社内での地位を上げるためにしっかり利用する!というのは良くある手です。

外資系企業では任された仕事で成果を出すのは当たり前でして、

こういったプラスアルファをやって会社全体に利益を与えられる人が評価されていきます。

プラスアルファに取り組むためには

日頃の業務効率を自分で上げて自分で余力を作っておく必要がありますから

ここも戦略的に働きたいものです。

 



外資系企業は管理職がスゴイ

私が外資系企業に移動して驚いたことはたくさんありますが、

その中でも管理職の質が全く違うことには驚いたものです。

日系企業では働かないおじさんが問題になっていますが、

外資系企業では働かない管理職は基本的にあり得ません

  • 管理職への道のりが、そもそも違う

日系企業の管理職は基本的に年功序列ですので

入社したら会社がレールを引いてくれ、しかるべき時期にしかるべき仕事を会社から与えられ、

時期がきたら管理職試験を受けて管理職になる事が一般的です。

一方の外資系企業はそもそも、長期目線で考えた人材育成のレールなんて引いてくれません

働き出したら自分で仕事をとりにいき、転職しながら実績を積んでポジションを勝ち取りにいくのです。

この様な道のりの違いを例えるなら、

日本の首相とアメリカの大統領の選挙の違いくらい違うと言えるかもしれません。

アメリカの大統領戦は戦い抜いて勝ち抜いて上がってくるわけですが、

日本の政治家や首相はレールが整備された人が上がってくる、、みたいな感じですね。

鍛えられながら勝ち上がってきた人が管理職につくので、

外資系企業の管理職の方はメンタルもフィジカルも超人的にタフである事が多いです。

  • 会社から求められる役割が明確

外資系企業では、一般的には管理職が最低限求められる役割と言うのはこんな感じになります。

・トップから落ちてきた目標を部下に達成させる

・部下が目標達成できる様に障害を整備する

・部下を育て最大限会社に貢献させる

これらは管理職の評価項目にも必ず入ってくるため、

日系企業の管理職の様に部下に責任を丸投げしていると、自分の立場が危うくなります。

また、外資系企業の管理職は人事権も握っており、

部下の給与や処遇を決めるのも上司の役割になっているため、権限が大きいのです。

 

外資系企業の管理職は部下のパフォーマンスが悪いと自分の立場を脅かすことにもなりかねませんから

必要な時は全力でサポートします。

これについては日系企業の管理職より面倒見がいいかもしれません。

また重きを置くのは成果であり、

成果に対して妥当なプロセスを経て合法的に出来ているのかをみるため、

日系企業の様にしょっちゅう報・連・相をしてプロセスを石橋を叩き割る様に

監視する管理職は少数派だと思います。

信頼関係ができればお互い一個人として付き合う事ができやすいとも言えるでしょう。

 

ちなみに私は外資系企業のやり方を日系企業に浸透させる仕事をしているのですが

実は一番苦戦しているのが、紛れもなく管理職の意識改革なのです。

管理職にJDを作り、彼らの年次の目標値に部下の育成を入れようとしたら猛反発に遭いました。

また、日頃から部下を育て、組織として成長させることも言及したら

パニクった日系企業の管理職から「そんなのみんなでやればいいじゃん!」と言われて白目向きました。

みんなでやるなら、

君の高い給料もみんなに分け与えてくれよ、、とカツアゲをしそうになったものです。

 

いかがでしたか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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