外資系企業の求人要項に、
よく
”セルフスターター”とか
”自主的に改善した経験があること”といった
いわゆる
自主性があることを必須条件にしていることがあります。
さて、
この自主性ですが
実は日本企業と外資系企業では
求められるレベルが結構、異なります。
日系企業7年半、
外資系企業で10年ほど勤務している筆者が
外資系企業のセルフスターターとは
具体的にどう言うことなのかについて解説していきます。
【向いてる人】外資系企業のセルフスターターとは【向いてない人】
外資系企業はサバンナにぶち込まれるイメージ
日系企業から外資系企業に移ると驚くことは多々ありますが
中途で入社した場合は
初日の午前中にITや社則などについて
最低限のインプットを受け
その後数時間もすれば配属先の席に行き
上司か他の人から仕事を渡されたら
あとは自分で聞きまくりながら
仕事を進めていく必要があります。
日系企業の場合は
中途で入社したとしても
仕事を覚えるまでは先輩がついてくれたり
手厚い教育をしてくれたり
飲み会に連れていってもらって
人脈を作ったりと
組織全体で新人を育て、支える風土がありますが
これは外資系企業には期待しないようがよいでしょう。
そのため、
「え、いきなりそんな放り込まれても、、」とか
「ろくな引き継ぎもないの?」と
思ってしまう人は外資系企業では
大きなストレスを負ってしまうかもしれません。
日系企業のセルフスターターとは
言われたことに対して自分から動けるか
日系企業にいた時、
特に日系大企業にいる場合は気づきにくいのですが
日系企業は合意形成も仕事自体も
個人ではなく組織で進めていく特徴があります。
そのため、
気づいていようといまいと
会社に言われたことに対して
自分から手を挙げられるか、
がセルフスターターかどうかになっています。
何をするか、
どのようにするか、
と言ったことは
組織の皆で話して相談しながら考えるため
自分で荒野を開拓していくようなことは
あまり起こらないと言えるでしょう。
外資系企業のセルフスターターとは
仕事を自分で進めていける前提で雇われる
外資系企業のセルフスターターが何かというと
仕事をぼんっと渡され
キーパーソンを何人か教えてもらったら
あとは自分で考えて進めてね
進捗報告とかいらないから
みたいな感じです。
あなたの職責では決定権が足りない場合に
上司に相談することはありますが
少しのヒントをもらったら
それまでの仕事の経験を活かしながら
手当たり次第に荒野を開拓していくことになります。
聞きまくり荒野を開拓する中で
同僚が皆、快くサポートしてくれるとも限りません。
誰もが必死ですから
手の内はなかなか明かしませんし
上になればなるほど
安易と相手に利益をGIVEしてくれるような
気のいい人、というのは減ってきます。
この状況に根負けせず
淡々と、でもガシガシと
自分の道を自分で切り開くのが
外資系企業におけるセルフスターターなのです。
「うちの会社は仕事は自分で見つけるんだよ」と言われた話
外資系企業とは不思議なもので
必要な仕事に必要な人を最低限あてがうのが
基本的な考え方となる一方で
特に日本法人などにおいては
市場開拓のために予算は確保されていて
採用はするけれど
あてがう仕事が実は確保されていない、
と言うことが稀に起こります。
私は初めての転職の時に
この経験があるのですが
面接の時はめっちゃ忙しいと言ってたくせに
入社したら周りの同僚も上司も
仕事を抱え込んで手放さず
入社早々、社内失業したことがあります。
上司は
「いやー、君にやってもらう仕事、
まだ用意できてないんだよねえ」と言い
同僚に話しかけようものなら
「自分の面倒は自分で見てよ」と言われて
相手にされない。
「この会社はね、仕事は自分で見つけるんだよ」と
冷たく突き放されたこともあります。
私の例は少々極端ではありましたが
確かに同僚がいうことは、一理あります。
外資系企業は必要な人を雇うのですが
自分の立場は自分で作る必要があります。
それまでの経験を活かして
自分の強みを最大限活かしながら
いかに自分が仕事ができるか、
仕事を作り出せるかが勝負、
という面もあるのです。
自分から声を上げる必要がある
日系企業から移ってきた人が言いがちなことに
「上司が見ていてくれない」
「部下を気遣うのは上司の仕事だろう」と
言う言葉があります。
何事も、同僚や上司と
話して相談して組織の合意のもと
仕事を進めてきた人たちが
こう言いたくなる気持ちはよくわかるのですが
外資系企業では基本的に
個人の状態は自己管理が前提で
困ったら解決するために何が必要かも自分で考え
その資源を上司と交渉して上司に勝ち取ってきてもらう、
と言うのがスタンダードになってきます。
上司から声をかけてもらうのを待っていては
外資系企業では生き残れません。
上司は戦略的に使うものだと心得て
自分で動かしていく必要があるのです。
黙っている=同意したことになる
外資系企業に入ってきた日本人から
「こちらが合意してないのに勝手に進められた」
と言うことも聞きます。
これは文化の違いでもあるのですが
特に欧米圏では
自分から何か声を上げない場合は
異論なく同意したとみなされます。
つまり、
「この件はよくわからないから、ちょっと様子を見よう」と
日系企業にいたときのように
受け身の姿勢でいようものなら
外資系企業では
声を上げた人同士の中で
どんどん進んでしまうことになるのです。
日系企業では決定に時間がかかる、と言われます。
稟議書の文化にあるように
多数の関係者と緻密に合意をとることに時間をかけるからです。
外資系企業ではこの進め方はしません。
何しろまずは進めて、
文句があるならその時点で言ってこい
となるのです。
日系企業のように、
相手が丁寧に説明しにきてくれるだろう、
ということは考えてはいけません。
ちょっとでも怪しいとか
異論があるのであれば
理論的に言葉で発信していく必要があるのです。
”外資系企業での勤務経験があると望ましい”の意味
外資系企業日本法人で特に見られるのですが
募集要項に
”外資系企業での勤務経験があること”と
記載されることがあります。
これが意味しているのは、
先述してきたような仕事の進め方を
経験しているかどうか、ということです。
つまり、
自分で仕事を進めていき
困ったら自分で周りを巻き込んで
解決できる能力があること、
と言うことが含まれています。
日系企業出身者は
よく言えば非常に会社に従順であるため
会社から指示には従うものの
会社から方針や教育がないと
手待ちで硬直してしまいがちです。
外資系企業は
放置に耐えられるか、
自分で荒野を開拓できるのか、
ということが非常に重要ですので
もし募集要項に
”外資系企業勤務経験があること”とある場合は
よく見極めるようにしましょう。
コメント