日本で”男女平等”というと
主に女性の立場向上について
議論されることが9割を占めると思います。
実際問題、
日本で女性がキャリアをつかんで行くことは
まだまだ困難を極めることは
世界にも知れ渡っている通りでしょう。
これについて
女性に焦点を当てて全編を書きましたが
本日は一般的な”男女平等”から
少し視点を変えて
日本に住む男性について光を当てて
男女平等について考えてみたいと思います。
【後編】日本は男性差別も是正すべき【男女平等】
私は欧米人と仕事やプライベートで
関わるようになってから気づいたのですが
日本は女性の立場に課題が山積みの一方で
男性も非常に生きにくくしんどい社会だな、と思います。
私はこの、
男性の生きにくさにも光を当てない限り
日本での真の男女平等はありえないと思っています。
さて、
一体どういうことか見ていきましょう。
日本人男性への重圧
社会と家庭からの無言の重圧
日本に限ったことではないかもしれませんが
男性は権力を手に入れることができる一方で
世間からの無言の重圧を
当たり前のように背負わされている側面も
あるのではないでしょうか。
例えば
・男なんだから働いて当たり前
・男なんだから女より稼いで当たり前
・男なんだから妻子を食わせて当たり前
・男なんだから常に全力で働いて当たり前
・男なんだから荒い扱いをして鍛えればいい
・男なんだから出世を目指して当たり前
・男なんだから一家の大黒柱になって当たり前
と言ったことは
日本社会では口に出さずとも
男女ともにどこかで思っているのではないかと思うのです。
近年少しずつ
こう言った価値観に変化も見られますが
それはまだまだごく一部の
都会に限ったことでしょう。
自分を押し殺して我慢する日本人男性たち
こう言った無言の社会からの圧力は
子供の頃から男性に刷り込まれているため
本人たちも特に意識していないかもしれません。
つまり自分が望んでいなかったとしても
・常に競争にさらされ自分を追い込んでいたり
・他人と比べて劣等感を感じたり
・少しの失敗も許されなかったり
・やりたくもないことをNOと言えずに受け入れたり
と言った
自分を押し殺して生きている人も
実は大勢いるのではないでしょうか。
最近ではキレる中高年男性、なんていうのも
街角で見たり
ニュースで見ることすらあります。
自己責任と言ってしまえば
それまでではありますが
やりたくもない重圧を背負わされ
家庭でも職場でも弱音を吐くことも許されず
我慢に我慢を重ねていたのだとしたら
私は実はこの人たちは
ある意味で日本社会における犠牲者なのではないか
とも思うのです。
日本で男性として生きることは
強者である一方で
声を上げることを許されない
隠れた弱者でもある
と言えるかもしれません。
就労における男性への”差別”
やりたくなくても、やらされる
時代は変わってきているとは言え
日系企業は新卒一括採用をしたら
人事部が個々の出世ルートを概ね用意し
そのレールに乗せて配属や移動を行ったりします。
ここで長年優位だったのが
日本人男性だったわけですが
良くも悪くも男性は本人の意思と関係なしに
会社から仕事のチャンスを与えられたり
ポストを用意されることがあるため
本人の希望とミスマッチが生まれて
精神的に追い込まれた、という人を
私はサラリーマン生活の中で
嫌というほど目の当たりにしてきました。
男性だというだけで
本人の希望にも能力に見合わない重圧を乗せられて
断る間も無く潰れてしまった、という人は
決して少なくないのではないでしょうか。
本来職場では
意思があり能力がある人が
自分からチャンスを掴み取りに行くとき
最大の能力が発揮されるはずなのですが
日本ではまだまだ、このような
男性に対する差別も根強いと思うのです。
本当に”男女平等”を目指すのであれば
こう言った、
男性への差別も撤廃しなくてはなりません。
本当の男女平等を目指すなら、これを見直せ
第3号被保険者制度の見直しが急務
私個人は、
もし日本が真の男女平等を目指したいのであれば
ジョブ型雇用に加えて
成人に対する第3号被保険者制度を撤廃すべきだと考えています。
昭和の時代は
産めよ増やせよの元に
男性は終身雇用年功序列で休みなく働いてもらい
女性は結婚して家庭に入り子供を産み育てる、、
ということを国として推進していました。
これを表すのが、
第3号被保険者制度、いわゆる扶養制度です。
この制度自体は、
男女関係なく適用できるものではあるのですが
実質的に
男性が働き女性を養う前提で運用されてきているようなものです。
この制度がある限りは
”男は女を養うもの”と
国が無言で言ってしまっているようなものですから
これではいつまで経っても
男性が社会の中心でいなくてはならないのは良くも悪くも当然です。
また、
「女性は結婚しちゃえば旦那さんに養ってもらえる」
という価値観がなくならないのも
この制度の功罪だと思うのです。
もちろんこの制度のおかげで
恩恵を受けている方が多くいることは承知していますが
男女平等というのであれば
痛みの部分も享受して行く必要はあるのではないでしょうか。
※日本の社会保障や、
終身雇用年功序列のカラクリについては
詳しくはこちらの記事をご参考ください。
まとめ:男女差別は全体最適で考えよう
日本の男女差別について
私個人の思いを話してきました。
男女差別というのは
それぞれの立場で思いがあり
非常に難しく、でも解決しなければならない
課題だと思います。
これまでの日本は
女性も男性も生きづらく
我慢を重ねる文化でしたが
今後は
全体最適の目線を持って
・男女関係なく、どうしたら皆が生きやすくなるのか
・意思ある人がどうしたら思いを叶えられるのか
という観点で
お互いが歩み寄りながら
妥協点を探して変化していけるといいなと
思っております!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
※前編はこちらです。
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