外資系企業で働きたいけど、TOEICスコアって何点あれば仕事できるの?
このように思われる方に向けて、現役で外資系企業でマネージャーをして採用もしている筆者が、企業のリアルな内情をもとに解説します。
欧州系大企業でマネージャーのサラリーマン。
短大を卒業し、日系中小企業で7年半(1社)従事。ブラック安月給に耐えきれず、働きながら大学を卒業し学歴をグレードアップ、さらに外資系企業に転職を成功。現在外資系企業合計13年目を全て正社員で勤務中。瞬間風速的に日系大企業にいたこともあり。留学なし、オンライン英会話で、外資系企業で働ける英語力を身につける。
結論:外資で求められるTOEICスコアは、ポジションによる
外資系企業=英語、と思っている人は多いのですが、求められる英語力は所属したい外資系企業がどこの国の会社なのか&働くポジション(職種・職位)によって全く異なります。
え!外資系企業って、全員英語ペラペラなんじゃないの?
盲点?働く企業の母国で変わる、求められる英語力
筆者は欧州系企業での勤務が長いのですが、上司がドイツ人やイタリア人だった場合、英語はそれほど得意でなくともドイツ語やイタリア語が得意である方が評価上は優位だったりもします。
上司と仲良くなることが簡単だったり、社内のコアな文章は母国語でしかない場合もあります。そのため、母国の言葉が出来る方が優位に立てるからです。
一方、米系企業ではアメリカ英語が求められ、アメリカ英語を話す人が優先して採用されたり社内での重要ポジションに置かれる傾向が強いです。
これを前提として、世界に展開しているような外資系企業では、多国間でのプレゼンや会議は公用語が英語なので英語力も求められる、ということになります。
英語力が要らない外資系企業?!
外資系企業といっても、出資元が本国の海外企業であるだけで、日本で一般職の顧客営業として働く場合は同僚も顧客も日本人、ということも珍しくありません。
この場合は英語よりも、ビジネス日本語や日本のビジネスマナーを理解して振る舞えることの方が重視されます。
日本法人の規模が大きかったり、日系企業を買収した外資系企業の場合は、社内のイントラも日本語で準備されていたりと、ほぼ日系企業と変わらないこともあるのです。
このような場合はTOEICのスコアもさほど見られておらず、TOEIC600くらいでも入社できてしまいます。
外資系技術職ならTOEIC500以上を目指そう
外資系企業であっても、特に日本法人の技術職の一般職は、TOEIC500点台という人も珍しくありません。
これがなぜかというと、日本はまだまだ英語を少しでも使うことができる技術職は圧倒的に少ないため、外資系企業は高まる需要に対して間口を広げて英語力が低い人でも職歴やスキルがあると認めれば雇うからです。
技術の仕事は特に日本の顧客との緻密なコミュニケーションが求められ、それをもとに本国と調整するのですが、数字やロジックが中心となってきますので文系色と比べると始まりは英語力は低くてもGoogle翻訳などを駆使したりオンライン英会話で勉強しながら研鑽していけば何とかなります。
外資系文系事務職ならTOEIC700が足切り
外資系企業で事務職で一般職の場合、概ねTOEIC700が足切りになってきます。このスコアがないと落とす!というよりは、TOEIC700くらいはスコアがないと英語を使った事務仕事をするには難しいと思われる傾向があります。
TOEIC700台というのは、複雑な交渉や文章理解は出来ないけれど、事務職のような定型業務ならできるだろう、というレベルです。
TOEIC700に多いのは、英語力ゼロの人が1年留学していたとか、日系企業で海外駐在していたとか、コツコツ日本で勉強された方です。
外資系事務職で働きたいなら、TOEIC700は留学なしでも努力次第で取れますから頑張りましょう。
例えばビジネス英語特化型の無料体験! 英語面接対策なら、Bizmates(ビズメイツ) は教材は無料で提供されており、非常に安価で毎日英会話を受講することができます。TOEIC勉強については別記事にもまとめていますので参考にしてください。
【TOEIC900越え】TOEICを13年受け続けた筆者によるTOEICスコアを伸ばす方法【留学なし】
プロマネや部長以上、上司が外国人の場合はTOEIC800以上が目安
外資系企業日本法人の中でも、比較的高いレベルの英語力を求められる代表的なポジションが以下になります。
この場合は最低でもTOEIC800以上、願わくばTOEIC900以上は欲しいところですが、間をとって足切りラインはTOEIC850と言えるでしょう。
TOEIC800台は、それなりに日本国内で英語を勉強した人が留学をした後に到達したり、アメリカに数年間駐在していたり、日本国内で何かしら英語を使った仕事をしたり、努力しないと到達できないレベルです。したがって、採用側からは
TOEIC850か。英語での業務経験はしっかりありそうだな。話をしてみてもいいかも。英語面接も入れよう。
というように見られます。
外資系でも、TOEIC900以上は目を引く!
外資系企業はTOEICなんて関係ない、と言われることもありますが、やはりTOEIC900以上あると、多数集まる求職者の書類の中でも目を引くため優位に立てます。
TOEIC900を超えるレベルになってくると、海外とも一人で問題なく仕事が回せる、厳しい交渉や複雑なプレゼンも出来る、英語しか話せない部下を任せることもできるというレベルに見られます。
TOEIC900というのは、留学経験者、海外駐在経験者も届かないことが多く、本人が何かしら相当努力して英語を勉強して日常的に使っていないと届かないスコアです。(中には、TOEICテクニックで取ってしまう人もいるそうですが、、)
従って採用担当者からは
TOEIC900か。なるほど、海外駐在を5年経験して管理職をしてきた人なら、納得だな。海外の上司と直接レポートのポジションで面接してみよう。
というように見られます。
筆者は自分がTOEICを通して英語を勉強してきたこともあり、TOEIC900以上とTOEIC900未満の英語力の差は自分でも感じていることから、TOEIC900越えが転職市場価値でも高く評価される傾向があるのは理解できるところです。
まとめ: TOEICは努力を数字でアピールできるツールである
外資系企業でマネージャーを務める筆者が、TOEICが外資系企業でどのように見られているのかまとめてきました。
筆者は自分でも長年TOEICを受講した経験があります。自分の経験からも感じていることですが、TOEICはスコアはもちろんですが、英語に対して時間をとって勉強しているんだぞという努力を数字でアピールできるツールでもあると思っています。
例えば面接の時も、
TOEICは英語の勉強のために取り組み始めました。今はTOEIC700が目標で、毎日1時間勉強しています!
と努力できる人なんだぞアピールすることもできるでしょう。
上手く使えば非常に良い勉強ツールであり就活ツールになる、TOEIC。無駄だと思わずまずはコツコツやってみるのも良いかもしれませんね!