
アメリカってすぐクビになるって言うけど、本当?
このように思う日本人の方は多いでしょう。
今回筆者は、アメリカで直属の部下を即日解雇しました。
その時の筆者の経験談を記事にしていきたいと思います!

★自己紹介★
アメリカで現地就職にてマネージャーのサラリーマン。
日本のFラン短大を卒業し日系中小企業に新卒入社。キャリアアップのため働きながら大学を卒業し、外資系企業日本法人に転職。日本からグローバルの企画職も経験。その後家族と共にアメリカに引っ越し、現地採用にて管理職転職を成功させる。座右の銘は、諦めなければ夢は叶う。
アメリカのクビの種類を説明する

アメリカでクビにすると言っても、何個かパターンが存在します。
順番としては、①→②→③→④に行くに従って、ヤバさが上がっていきます。
※州により会社により法律や就業規則が異なるため、全てに当てはまるものではありません※
※州により会社により法律や就業規則が異なるため、全てに当てはまるものではありません※
アメリカは直属上司が解雇を決める

アメリカでは、直属の上司に嫌われたら終了です!
日本と大きく違うのは、日本の場合は人事も入って長い長い時間をかけて選別されることに比べて、アメリカでは直属のクビにすると決めたら基本的に即実施することができる点です。
この判断の速さ、権限の大きさが、アメリカ企業を強くしていると筆者は思っています。
筆者がアメリカ人部下を即日解雇した経緯

どうも、クビになったマイクです
筆者は課長なのですが、今回解雇したのは課長補佐(以下、マイク)でした。
マイクは2年弱すでに働いていたものの、極めて低い仕事処理能力&素質に問題があったため、筆者は着任してほどなく、彼の即日解雇を決めました。
課長補佐というのは、課長と実務担当者をつなげる重要な立ち位置にあります。
実務をよく理解した上で各担当者を育成したり、実務の問題を課長に打ち上げて提案をしたり、課長からの指示を実務担当者に実行させることが仕事です。
つまり、課長補佐が機能しないと、課としての目標が達成できない。と言っても過言ではないのです。
しかしマイクの問題は、実務の超基本的な知識すら理解しておらず、振る舞いはまるで、インターンシップの大学生。
加えてマネジメントとして全体の実務管理をすることも全くできず、日々、日雇いバイトのように各担当者から単発のお手伝い仕事をもらいながら、調子良く喋ることで生き残っていただけなのです。
会社からは1年以上の間パフォーマンスについて再三警告されていましたが、マイクは

いやー。前の課長からは具体的な指示もなかったし(嘘)

僕はトレーニングも受けてないし、まだ学ぶ必要がある(言い訳)
と、言い訳の連呼で、改善が見られませんでした。
他部署からもマイクへのクレームが多く、全く見込みがない状態だったのです。
加えて癇癪持ちだったため、周りの従業員にも危険が及ぶ可能性が高く、他部署への移動の可能性も作れず、PIPをする価値もないと筆者が判断し、即日解雇となりました。
アメリカ人を即日解雇。「もう会社に来ないでください」

上司である筆者がマイクをクビにすると決めてから、筆者は上司に相談しました。

Ashley
部長。マイクをクビにしたいです。PIPも不要です。明日マイクがいなくなっても何も問題ありません。速攻、実施したいです。

部長
了解!決めてくれてありがとう!
じゃ明日彼が会社に来たら速攻、クビを言い渡そう。
こんな感じで話を進めたのですが。。。

部長
人事と相談したんだけど、彼危ないから、会社に来るなって人事から電話で解雇を伝えてもらうことにしたよ!会社の建物にも侵入させないように、セキュリティキーを無効にしたから!明日荷物は取りに来るけど、人事が警備員室から窓越しに渡すって!彼の私物だけ机から撤去してまとめておいて☆
と、急転直下となりました。
なんと、解雇の中でも非常に重い、ロックダウン解雇となったのです。
その後筆者はチーム員全員に、

みなさん。残念ですが、会社の判断で、マイクは今日付で弊社を退社することになりました。これは、会社の判断です。もしマイクから電話などがあっても会社のことは一切、公言しないでください。
と、メールで連絡。
「Whhhhhhhy?!」 ロックダウン解雇に爆ギレしたアメリカ人部下

筆者がマイクをクビにしたいと上司に伝えてったった20分後には、人事がマイクに解雇の事実を電話で伝えていました。
その際も騒いではいたらしいのですが、会社に私物を取りに来た際は人事に対して悪態をついたり、目の前で私物の箱をぶちまけて大騒ぎしたり、会社の建物を出てからも周囲をうろついたりと、明らかに不審行動をとっていました。
セキュリティガードもドン引きしたようで、これだけでも筆者は、マイクを解雇したことは正しいことをしたと思うことができました。
残された従業員のケア

マイクが解雇された翌朝、筆者は速攻、チームミーティングを開きました。

Ashley
みなさん。
マイクは会社の判断により、慎重に考慮されたのち、退社となりました。
私から言えることはありませんが、
これまで通り仕事に励み、良い結果を出しましょう。
会社の上層部は皆さんが日々難しい業務に挑戦して努力していることに感謝し、非常によく理解をしています。
前を向いていきましょう!
しばらくは補佐としてた部署からヘルプを入れますので、不安なことがあれば彼に聞いてくださいね。彼がいない時は皆さんでサポートしあって一緒に成長しましょう。必要なヘルプや交渉は私が入るので、いつでも言ってください。
ということで、プロとして強い上司を演じることに徹したのです。
マイクのパフォーマンスが悪いことは従業員も理解していたため、心理的な負担は大きかったようですが、ことの顛末は誰もが空気を読んで理解をしてくれました。
そして、口先だけ達者なマイクではなく、筆者はしっかり会社に貢献してきたチーム員の一人をシニアエキスパートとして昇進させることに決め、この人をキーパーソンとして進めることに決めたのです。
誰かの道が閉じられたら、別の誰かの道が開くのですね!
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