若い今のうちは、日本より就労環境もいいしお金も稼げるからいいけど、老後は日本で暮らしたい。。。
こう思う方は多いものです。
不透明な未来は見えないものですが、すでに今、海外で長年の生活を終えて日本に戻ってきた方だっています。
今日はそんな先輩から、若いうちに50年アメリカで暮らして老後日本に帰って来た人生の先輩にインタビューしてみたので体験談としてまとめていきたいと思います!
※あくまで個人の体験記です。全ての方に当てはまるものではありません。
※各国の法規は随時変わります。最新の公式情報をご確認ください。
※詳細な最新情報を知りたい方は、移民弁護士などプロの方にお問い合わせいただくことをお勧めいたします。
欧州系大企業でマネージャーのサラリーマン。
短大を卒業し、日系中小企業で7年半(1社)従事。ブラック安月給に耐えきれず、働きながら大学を卒業し学歴をグレードアップ、さらに外資系企業に転職を成功。現在外資系企業合計13年目を全て正社員で勤務中。瞬間風速的に日系大企業にいたこともあり。留学なし、オンライン英会話で、外資系企業で働ける英語力を身につける。
実例:アメリカ国籍に帰化したAさん、日本国籍のBさん
本記事で紹介するのは以下の2名です。
アメリカ在米50年。75歳。
国籍はアメリカに帰化し、日本国籍は放棄済。
日本に日本国籍の妹がいる。
アメリカ在米50年。65歳。無職。
国籍は日本。アメリカの永住権を10年ごとに更新していた。
日本には身寄りがない。
この2名が時を同じくして日本に引っ越してきた時に実際に起こった体験談をまとめていきます。
ちなみにAさんは筆者の義母になります。
なぜ日本に戻るのか、自分の中で整理しよう
アメリカで50年も暮らしてから日本に帰国したAさんBさんからお話を伺った中で、筆者が最も印象深かったのが、日本に対して思っていたイメージと現実が違ってショックを受けた、という意見です。
特にAさんは
日本はいい場所だと思って帰ってきたけれど、現実は違った、、、手続きも大変だし、疲れた。。。日本暮らしを夢見て頑張ってきたけど、もう行き場がない。。。
と、心身を病んでしまい、なんと帰国して間も無く自ら日本で自死してしまいました。
これは極端な例かもしれませんが、日本を綺麗に見過ぎていたからこその落差は大きいものがあったようです。
ここから学べることとして、まずは、どうして日本に戻るのか?本当に日本はあなたの望みを叶えられるのか?ということを考える必要がある、ということです。
若いうちは海外で暮らしていても、老後は母国に帰りたい。。。という方が、そもそもなぜ日本に戻りたいのか?という点を深堀すると、多くが下記に当てはまります。
- 語学
- 医療費(特に米国の場合)
- 交友関係(家族・親戚)
- 体力
- 物価
- 地域特有の事情(人種差別など)
これはあくまで一例ですが、あなた自身の胸に手を当てて、どうして日本に帰りたいと思っているのか?を今一度、現実レベルまで落とし込んで、整理してみてください。
ここが整理できていないと、いざ夢見て日本に帰国しても逆カルチャーショックなどで心身を病んでしまいかねないからです。
衰退国家日本の姿を冷静に分析してみよう
若いうちは海外で稼いで、老後は治安が良くて豊かな日本で悠々自適に暮らすんだ!
このように思っている方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、日本は今後発展していく国ではなく、今後ますます、縮小・衰退をしていく国家です。
どういうことか、分析していきましょう。
日本の人口は50年後には半減?!
日本の人口は平成20年をピークに減少の一途を辿っており、出生数についてはなんと80万人を切るという恐ろしいほどの少子化が爆速で進んでいます。
現在70歳くらいの人は1年間当たり240万人も生まれていたのに、2021年生まれの赤ちゃんはなんと80万人を切っているのですから、いかに深刻か分かりますよね。
このまま行ったら、50年後の2070年には、日本の人口は6,581万人まで減るという推計があるのですが、日本の2021年の合計特殊出生率はドンピシャの1.3まで減っているため、極めて現実的な予測と言えるでしょう。
少子化で出産する女性の数そのものが減る「少子化の縮小再生産」に陥り、日本の総人口が6581万人に半減する(合計特殊出生率が1.29の水準で推移した場合)
引用:https://seikatsusoken.jp/futuretimeline/search_category.php?year=2070&category=11
ちなみに人口6,000万人台というのは今の英国やイタリアと同等レベルです。
日本政府は躍起になって外国人の移民を迎え入れようとしていますが、日本語の高い壁・安い賃金・奴隷労働に耐えかねず、外国人労働者はきては帰っていくだけです。
今後も日本の国力は下がり続けることを覚悟しなければなりません。
日本の物価の盲点:増税が止まらない!
日本の物価は他国先進国に比べれば安いですが、生活費用全体を考える必要があります。
その中で日本で今後も改悪され続けることがほぼ確定しているのが
- 消費税金
- 社会保険料
でしょう。
社会保険料については詳しく後述します。
日本では、消費税については将来的にEUと同等の20%くらいまで引き上げられる線が濃厚です。
あのアメリカのニューヨークだって8%くらいなのに、日本の方が税金が高いだなんて、驚きですよね。。
加えて光熱費や食費などのCost of livingは、日本は決して割安とは言えません。特に電気代はアメリカの一部の大都会を除けば、アメリカの方がおおむね、安いです。
日本の治安。思っているほどは良くない?!
日本が素晴らしい!という方の多くが治安を挙げるのですが、実は治安についてはカラクリがあります。
確かに現時点の日本はホームレスが少なく、精神異常者も施設で保護していますから町を見れば安全で綺麗に見えますよね。
しかし 【海外は危険?】アメリカvsヨーロッパvs日本の治安をデータで考察してみた【日本は安全?】でもまとめた通り、命に関わる重犯罪は実は日本とEU先進国ではさほど変わりません。
一方で、高齢者を狙う詐欺については、警察の努力も虚しく、日々7500万円ほどの被害が生まれています。
2020年の特殊詐欺 被害額278億円:1日当たり約7590万円、被害者の85%が高齢者
引用 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00965/
命を取られなかったとしても、せっかく築いてきた財産を日本に帰国してから身包み剥がされる、、ということはあるでしょう。
日本には振り込め詐欺以外にも、金融機関も合法詐欺のようなことを平然とおこなっています。手数料がバカ高い新興国債を買わせたり、高齢者に保険を何個も買わせたり、カルト宗教が蔓延していたりと、日本は詐欺の温床国家と言ってもおかしくないでしょう。
日本って素晴らしい国だと思ってたけど、確かに冷静に考えると、思っていたほどではないのかも、、、
日本の医療負担は全世代で増えている
老後は日本に住みたい。。と思って帰国したAさんの主な理由は、アメリカでの高額な医療費を考えてのことでした。
アメリカで癌や糖尿病になったら、いくらあっても足りなさそう。。。
確かに、2022年現在の日本では、特に後期高齢者はめちゃくちゃ格安で最高の医療を誰でもいつでも受けることが出来ます。今現在の高齢者には、日本はいい国なのです。
しかし、残念ながら日本の社会保障・特に医療費負担は、すでに改悪の一途を辿っています。
高齢者の場合、1973年の老人医療費支給制度によって、自己負担金は公費で支払われるようになりました(老人医療費無料化)。無料化は10年続きましたが、1983年に創設された老人保健制度において、高齢者に対しても自己負担が導入され、その後少しずつ負担率が上がってきています。2008年度以降現在に至るまで、70~74歳の自己負担率は2割3、75歳以上は1割、ただし、現役並み所得世帯4はいずれも3割の負担率となっています。
出典:ニッセイ基礎研究所 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=58005?pno=2&site=nli
要約すれば、1973-1983年は高齢者の医療費は無料だったのに、負担率が年々、増やされているよということです。
さらに、現役世代を中心とした社会保険料の納付負担が昭和45年約%5.4→現在約15%まで増税されているのも見落とせません。現役世代も高齢者世代も医療費負担が負担が増えているのが、これまでの日本の傾向です。
これまでも負担が増える一方だったのですから、人口が減っていく日本ではますますの負担増は避けられません。今現役世代のあなたが数十年後に日本に帰国した時には、医療費の負担が爆増している可能性が濃厚、ということです。
国民皆保険制度がなくなることは無いと思いますが、老後は日本の安い自己負担で手厚くサポートしてもらいたい。。。というのは、基本的には期待できない、と言えるでしょう。
老後に日本に帰国する際のメンタル疾患のリスク
先に少し述べましたが、実例として取り上げたAさんは、環境の変化が思ったより大きかったことがメンタルに負担をかけてしまったのか、残念ながら帰国して間も無く自ら命を経ってしまいました。
たくさんの人が助けてくれたし、日本での生活なら安心だと思っていたけれど、もう心身ともに、疲れ切りました。
50年近くも治安の悪いアメリカで生き抜いたタフな人でも、環境の大きな変化というのは、時に命を奪うメンタル疾患につながる危険性があるのです。
このケースは極端かもしれませんが、人は人生の大きな変化を迎える時、大きなストレスを抱えるものです。
日本国内の引っ越しだって、事務手続きや引っ越しの片付け、近所への挨拶や新しい人間関係づくりなどは大変なもの。
これが国を跨いだ引越しともなると、文化の違いによる逆カルチャーショックや、長年海外に住んでいたからこそ出てくるアイデンティティクライシスなども重なってきます。
若ければ体力で回復することもできますが、高齢となると、いくら元気でも心身ともに一気に疲れが出てしまうことは起こり得ます。
若いうちは海外、ある程度の年齢になったら日本に。。。と考えているのであれば、
など、自分を守るための工夫を長期的に行うと良いかもしれません。
老後日本に帰国してよかった?ポジティブコメント
筆者がインタビューしたAさんとBさんが日本に帰国して真逆の人生となったことからも言えるのですが、老後日本に帰国して成功する人、うまくいかなかった人、こればかりは極論、人によります。
その人の状況により感じ方もハードルも全部変わってくるからです。
Aさんは日本への引越が心身に大きなストレスとなり、生きることすらできなくなってしまったわけですが、一方でBさんについては。。。
僕はなんとなくアメリカに50年居着いていたけど、日本人とだけ連んでたから、英語わかんないんだよね。
特にアメリカに強いこだわりがあったわけじゃなくて、たまたま行き着いただけだったんだよね。
資産を1億くらいは築くことはできたけど、それでもアメリカで老人ホームに入ったり医療費を確保するには十分じゃないと思う。
日本に帰ってきて生活することが出来ているのは、ラッキーだよ!
アメリカの安価な老人ホームだと、アジア系は人種差別の標的になるって聞いたこともあってね、、本当か嘘かわからないけど、自分が体力がなくなって戦えなくなることを考えたら、アメリカの土地は老後の僕には厳しかったと思う
Bさんのような柔軟な思考ができる方は、海外で資産を作って日本に戻り慎ましく暮らしていく分には、とっても幸せなのではないでしょうか。
また、Bさんはまだ60代。体力もありますし、日本の生活が合わなければアメリカに骨を埋めるということもできます。体力気力があるうちに大きな変化を迎えた、というのも勝因だったのかもしれないですね。
ただし、Bさんは2022年時点で65歳。
私たち現役世代が数十年後に日本に戻って同じ思いができることは絶望的であることは、忘れないようにしましょう。
日本はお先真っ暗。海外移住、自分にもできる?
2022年現時点で高齢者として日本に帰ってくる分には、やり方さえ間違えなければ、問題ない!ということは分かりましたよね。
でも、今20-40代くらいの方が数十年後に日本に戻ってきて豊かな生活を享受するのは、もはや無理ということも同時にわかってしまいました。
厳しそうだと思っていた海外移住だけど、日本の方がよっぽどヤバイ、、、
海外に住んでみたい!!!
と、思いますよね。
海外移住はビザの問題があるわけですが、大きく分けて下記の方法があります。
悲報:結婚で海外移住はまず諦めろ
海外移住といったら婚姻が一番簡単じゃないの?
と、思う方もいるかもしれませんが、婚姻には落とし穴があります。
そもそも人と人とのご縁ですから、相手が見つからなければ終了です。さらに、婚姻はお互いの国に住むビザや永住権を申請する権利を得られるだけで、実際に申請がきちんと認められビザが降りるかは確約されていないからです。
近年は特にアメリカやイギリスはたとえ正当な結婚で年数が経っていて子供までいたとしても簡単には居住の許可はおりません。
海外移住狙いで国際結婚を狙うというのは不確実性が高すぎるので、まず選択肢から外すべきです。
もしもご縁があって、無事にビザが降りたら、それはあなたは相手とも相手の国とも相思相愛ということですね。
海外移住、まずは留学or日系企業駐在員を狙え
最も確実に海外移住できるのが、留学やワーキングホリデーです。
学生として行くためビザが出ること、そしてエージェントも多く費用や期間もあらかじめ目処がつくので非常にハードルが低いと言えるでしょう。
また、キャリアも積みながら海外に住みたい!!という方は、日系企業の海外駐在員を狙うというのが最もおすすめの方法となります。
なぜなら、企業の手厚いサポートのもと海外に住めるため、住居や保険など全く不安がなく、同じ会社の同僚に助けてもらうことができるからです。
日系企業の駐在員を狙うなら、おすすめは、中小日系企業のメーカーです。
金融や大企業は海外人材が豊富なので狭き門となりますが、中小企業メーカーは常に駐在員不足なので、即戦力として行ける可能性が非常に高いです。
まずはオンライン英会話で語学力を磨きつつ、転職エージェントに登録して、海外駐在に行ける会社を探してもらえば、海外駐在員になることは可能です。
オンライン英会話なら無料体験! ワンランク上のビジネス英語ならBizmates(ビズメイツ) がおすすめです。 海外駐在員を探す企業が多く使用している転職サイトといえば、転職成功の秘訣は【非公開求人】にあった!/DODAエージェントサービスです。ここには真っ先に登録しましょう。 さらに、語学力を生かした高収入なハイクラス転職ならJAC Recruitmentが鉄板ですね。夢の海外移住も、先代の日本人の方が道を切り開いてくださっているおかげで、どんどん身近になってきています。
海外駐在員としてまずは海外を経験し、その土地でガンガン人脈を作って、現地採用してもらう!という強者も実際に珍しくありません。
海外は日本よりずっとコネと人脈社会なので、まずは日本の会社の駐在員として現地の人の信頼を得れば、すぐには実現できなくても人生で可能性が広がること間違いなしです。
まずは行動を起こしてみましょう!
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